はい!という返事に込める
先日子どもたちの強化合宿を行いました。
合宿のはじめに私が子どもたちへ今回の合宿について心構えのお話をしました。それは、先ず何事もやってみるということが大事です。稽古でこうやったらいいよと言われたことに「はい!」といえる素直さ、はい!と言えるつよさが大事だということを伝えました。
今の学校教育は心を教える教育が少ないと思います。よく知育、徳育、体育といいますが知育は知識で国語や算数といった授業、体育は体力で、徳育は心の育成です。学校では道徳の時間がわずかにあるくらいで最も大切な心の育成が足りません。知識や体力ということは徳育ができていれば後からでも自発的に積極的に身についていくものだと思います。
私は道場で子どもたちと様々な活動をやる中で最も力をいれていることは徳育です。私は空手のチャンピオンを育てることには全く興味がなくそれらを通して心に何を刻むのかということだと常に思っています。それをやってどう感じ何を身につけたか、こうやればできるという自分の方程式で努力し自信にしてほしいのです。それは何事にも対応できる真のつよさを備えられるからです。そして、そのつよさとは、一人一人が異なるつよさであり、人に対してではない自分に負けないという絶対的なつよさになるのだと思います。
その一歩として何事にも「はい!」の精神で先ずは元気な返事でやってみるということ。すぐ言い訳をしたり、文句を言ったりするのではなくすべてを一度は受け入れてやってみることでそれまで気づかなかったことや見えていなかった境地になることがあるのだと思います。
返事は素直な心を育みます。物事をやる中で素直さはできるできないを大きく左右します。
そして、「はい!」という返事の由来は拝啓のはい、から来ています。我を抑えて相手を敬い受け入れるという精神からきたのが返事です。はい!という返事には多くのできる要素が込められているのだと思います。
なんでも安易に情報を得られる社会で知識ばかり増え、先行し、なんでも結果や成果がわからないとできなかったり、意味がないとがんばれなかったりなりがちです。結果よりも経緯、プロセスが心に刻まれることも大いにあるものでそれが良きご縁になっていくものだと思います。額に汗するということが今の子どもたちにはもっと必要ではないかと思います。それにははい!という返事が
大切なのだと思います。
そんなことを伝える鬼のようにきびしい私の合宿でしたが、それでも子どもたちは皆と過ごす楽しみやきびしいことをがんばれた充実感ある嬉しさでいっぱいの1泊2日でした。